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放射線治療科
専門分野及び特徴
放射線治療とは
身体のいろいろな部位の腫瘍等を高エネルギ-の放射線を使用して治療する方法です。使用する放射線のエネルギ-が高いので、体の深い部分の病巣に対して 非常に有効です。また、皮膚にあまり影響を与えることなく治療することが可能です。
このため治療による身体の負担(照射部位にもよりますが)も比較的軽く、外来通院で治療を受けられる方もいらっしゃいます。
放射線治療装置(ライナック)について
クリナック21EX (CLINAC-21EX) |
ノバリスTx (Novalis-Tx) |
当院には、2台の放射線治療装置があります。
主に比較的広い範囲の治療や、骨髄移植前に行う全身照射、皮膚表面の浅い部分にも適した電子線治療などに用いる汎用型放射線治療装置(バリアン社製 クリナック21EX)が1台と、さらに、放射線量をきめ細かく調整する強度変調放射線治療(IMRT)やピンポイントに近い細かな位置決めを行う定位放射線治療(SRT/SRS)に対応した高精度型放射線治療装置(バリアン・ブレインラボ社製 ノバリスTx)が1 台です。
2台とも、治療直前にX線画像やCTを撮影し、位置ずれを調整できる画像誘導放射線治療を行うことができる機能を持っています。
病気の種類や範囲、病状などに応じて、放射線治療医と治療担当技師が2台の装置を適切に使い分けて皆様の治療にあたっています。
放射線治療計画について
当院では、放射線治療計画装置Eclipse(バリアン社製)とiplan(ブレインラボ社製)を治療計画に使用しています。治療計画用CT装置で得られた画像とMRIやPET-CT画像などを合成して的確に病巣部分を描出し、健常部のダメージができるだけ少なく病巣部を集中的に治療できるような放射線の量や方向などを計算する治療計画専用のコンピュータです。これらの装置によって強度変調放射線治療(IMRT)や定位放射線治療(SRT)の計画が可能となります。
強度変調放射線治療(IMRT/VMAT)
下図は、Eclipseでの前立腺IMRTと従来法の治療計画を示しています。放射線が多く当たっているところは赤く表示されています。IMRTは従来法に比べ、直腸の線量を抑えるとともに前立腺への線量を集中して照射することにより大きい線量を標的に与えることが可能となり、副作用を減らしつつ治癒する可能性を高めることができます。
また現在では、IMRTの応用型で、日本で従来行われていた回転原体照射に強度変調の機能を加えた、強度変調回転照射法(Volumetric Modulated Arc Therapy: VMAT)で照射を行っています。装置を回転速度と線量率を変化させながら回転させ、強度変調を行うことで、治療時間の短縮が可能となりました。
頭頸部VMAT照射
定位放射線治療(SRT)と体幹部定位放射線治療(SBRT)
脳転移、脳腫瘍や頭頸部腫瘍に対するSRTには多方向からの円弧状の照射等を行います。放射線を病巣部に集中的に照射することで、周囲の正常組織の副作用を最小限に抑えつつ、一回の照射で通常の放射線治療に比べ大きい線量を病巣部に与えることが可能です。また、体幹部(肺、肝臓)に対する体幹部定位放射線治療も行っております。
脳転移に対するSRT |
肺がんに対するSBRT |