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• 診療実績
• 医療関係者の⽅へ

放射線治療科の紹介

放射線治療科では、放射線を用いて多くのがんや一部の良性疾患の治療を行っています。放射線治療は、外科療法、薬物療法（主に抗がん剤）と並ぶ、がん治療の三本柱の一つです。手術と同じく局所治療ですが、病巣部に放射線を照射するため効果や副作用の多くは治療部位に限られます。臓器の働きや形を温存できるため、ご高齢の方にも安心して受けて頂けます。

当科では、他診療科だけではなく他院とも連携、協力して個々の患者さんに適した放射線治療を提供する努力をしており、がんに対してあらゆる部位、ニーズに応じて治療を行っております。完治を目指す根治照射はもちろんのこと、がんによる苦痛を軽減するための緩和照射も積極的に行っています。

主治医により放射線治療が提案されたら、まずは当科を受診して頂きます。その後、治療法（照射範囲、線量など）が検討され、治療のためのシミュレーション、治療計画の作成などを経て放射線治療が開始されます。放射線治療は外来治療も可能な場合が多く、治療期間中は定期的に診察を行い安心して治療が受けられるよう心がけています。

診療内容・特徴

放射線治療の対象となる疾患には、脳腫瘍、頭頚部がん、食道がん、肺がん、乳がん、肝胆膵がん、直腸がん、子宮頸がん、前立腺がん、皮膚がん、悪性リンパ腫、白血病などがあります。がんの種類、病巣の広がり、併用する治療法（手術、薬物療法）や患者さんの体の状態により、治療範囲と治療回数が決定されます。なお、各疾患により治療内容および副作用は異なりますので、担当医よりその都度ご説明させていただきます。

当科で行っている放射線治療は、体の外部からX線または電子線を照射する外部照射です。3次元原体照射、強度変調放射線治療（注1）、定位放射線治療（注2）を個々の患者さん毎に適切に選んで治療しております。

2024年度に治療器2台、治療計画CTおよび周辺機器を更新したことで、より正確に病変部へ集中した治療を行うことが可能になりました。 True Beam（トュルービーム）は最新鋭の治療装置でサブミリメートル単位の精度の高さにより多くの放射線治療施設で活躍しています。さらに、当院では治療中の体表面モニタリングシステム（Exac Track Dynamic）を導入したことにより、正常組織のダメージを最小限に抑えつつ病変への効果的な照射を行っております。以前は皮膚に大きなマーキングを書く必要がありましたが、現在では最低限のマーキングでストレスなく治療が受けられるようになりました。

また、トモセラピーの最新型Radixact（ラディザクト）が2025年3月に導入されます。CT装置と放射線治療装置が一体化された強度変調放射線治療（IMRT）専用装置です。治療台を動かしながら、細い放射線ビームを360度全方向から連続回転しながら照射して治療します。呼吸や臓器の生理的な動きにより照射しにくい病変に対しては、監視しながら治療を行う動態追尾が可能となります。息止めの困難な患者さんの早期肺がん転移性肺がんも安心して定位放射線治療が受けられるようになります（図2）。治療計画装置（Elements BrainMets SRS、図3）も一新したことにより、脳内病変に対する治療へも幅広く対応できるようになります。複数個の脳転移に対して全脳照射でなく、転移のある部分だけをピンポイントに照射することも可能となります。

高度な知識と経験を有した専門の医師、技師、医学物理士、看護師、その他のスタッフとともに、最先端の医療機器により、個々の患者さんに最適な治療を心がけ、良質で高度な放射線治療を心がけています。

• 注1：放射線を照射する形や線量を変化させながら照射することにより、正常臓器への被ばくを最小限にしつつ腫瘍に集中的に照射することができる治療法です。
• 注2：病巣に対し多方向から放射線を集中させる方法です。ピンポイント照射とも呼ばれます。 通常の放射線治療と比較して周囲の正常組織にあたる線量を極力減少させることが可能です。

医師紹介

診療担当表

診療実績

医療関係者の方へ

地域の先生方が気軽に相談できる放射線治療を目指して診療しております。根治照射のみでなく緩和照射においても積極的にご紹介を受け付けております。患者さんの病状および状態に応じて最適な治療を心がけておりますので、治療をお考えの患者さんがいらっしゃいましたら、患者総合⽀援センターを通してご相談ください。その際、治療中の入院が必要な場合には、当科ではベッドを持っておりませんのでお手数ですが、担当各科を通してのご紹介をよろしくお願いいたします。