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医療技術部 検査室
疾患と血液検査データの見方
代表的な疾患と検査のおおまかな説明です。基準値は日本臨床検査標準化協議会(JCCLS)に準拠しています。詳しくは担当医にお尋ね下さい。
心筋梗塞
検査項目 | 基準値 | |
トロポニンI (トロポニンアイ) |
トロポニンIとは心筋に特異的に含まれる物質で、心筋が障害を受けたときに血液中で増えます。心筋梗塞発症後、比較的早期(3~5時間後)に検出されますが、発症後初期の検査では陰性を示すことがあります。腎疾患でも検出されることがあります。 | <0.023ng/mL |
---|---|---|
CK (クレアチニンキナーゼ) |
CKは筋肉や脳に分布している酵素で、これらが障害を受けたときに血液中に出ます。心筋梗塞など心筋の障害や、筋疾患で血液中の濃度が高くなります。心筋梗塞の場合、発症後数時間から12~24時間後まで検出されます。 | 男 59~248U/L 女 41~153U/L |
LDLコレステロール (低比重リポ蛋白) |
悪玉コレステロールと呼ばれています。肝臓で作られたコレステロールを体内に運びます。血中濃度が高すぎると動脈硬化を引き起こす原因となります。 | 65~163mg/dl |
HDLコレステロール (高比重リポ蛋白) |
善玉コレステロールと呼ばれています。余分なコレステロールを肝臓に戻します。一般的にLDLが低く、HDLが高い方が健康に良いとされています。 | 男 38~90mg/dl 女 48~103mg/dl |
糖尿病
検査項目 | 基準値 | |
糖負荷試験 | 糖尿病が疑われる場合、短時間に一定量のブドウ糖水溶液を飲み、一定時間経過後の血糖値を測定して、糖尿病かどうかを診断する方法です。 | 判定基準*のとおり |
---|---|---|
HbA1c (ヘモグロビンエーワンシー) |
血糖のコントロール指標の一つです。過去約120日間の平均的な血糖状態を表しています。血糖と違い、食事の影響を受けません。 | 4.9~6.0%(NGSP値) |
*糖負荷試験判定基準
正常型 | 境界型 | 糖尿病型 | |
空腹時血糖 | 110mg/dl> | 110~125mg/dl | 126mg/dl≦ |
---|---|---|---|
随時血糖 | 200mg/dl≦ | ||
75g糖負荷試験 | 負荷後2時間値 140mg/dl> |
負荷後2時間値 140~199mg/dlのもの |
負荷後2時間値 200mg/dl≦ |
上記の検査で2回以上の糖尿病型が確認できれば糖尿病とします。
また、1回の糖尿病型であっても次のいずれかの条件を満たせば糖尿病とします。
- 糖尿病の典型的な症状(口渇、多飲、多尿、体重減少)の存在
- HbA1c 6.5%以上(NGSP値)
- 確実な糖尿病性網膜症の存在
境界型というのは、糖尿病とは診断されませんがちょっと危ない糖尿病予備軍です。将来糖尿病を発症する確立が極めて高く、今のうちから気をつけたほうがよいと思われます。
乳がん
検査項目 | 基準値 | |
腫瘍マーカー:腫瘍があることによって作られる物質で、この物質を測ることにより癌の診断の補助や、病期の予測、経過観察、治療効果の判定などに利用できるものをいいます。乳がんではCA15―3、BCA225などがあります。 | ||
---|---|---|
CA15-3 | 腫瘍細胞から分泌される糖タンパク質です。これを測定することで乳癌の予後診断の判定に役立ちます。 | 25.0 U/ml以下 |
BCA225 | 乳癌の早期発見よりも乳癌術後のモニタリングや再発乳癌に対する治療効果判定のために測定します。 | 160 U/ml未満 |
CEA | 癌胎児性抗原、胎児期にみられるタンパク質で出生後にはほとんど検出されない。乳癌だけでなく、消化器系の癌やその他の臓器に病変があった場合でも検出される。癌のスクリーニングとして測定されます。 | 5 ng/mL以下 |
肝機能障害
検査項目 | 基準値 | |
AST | AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は肝臓や筋肉の細胞や赤血球の中にある酵素で、これらの細胞が壊れたとき血液の中に出てきます。 | 13~30 U/L |
---|---|---|
ALT | ALT(アラニンアミノトランスフェナーゼ)は、肝臓の細胞にだけある酵素です。肝臓の細胞がこわれたときには、多くの場合GOTとGPTが同時に増加します。 | 男 10~42 U/L 女 7~23 U/L |
γ-GTP (ガンマ) |
肝臓や腎臓などに含まれている酵素です。アルコールや薬剤で肝細胞が壊れたときなどに血液中に増えます。肝疾患(慢性・急性肝炎、肝硬変、肝臓がん、薬剤性肝障害)で高値を示します。γ-GTPはアルコールに敏感でアルコール性肝障害の診断に特に重要な検査です。 | 男 13~64 U/L 女 9~32 U/L |
貧血
検査項目 | 基準値 | |
ヘモグロビン (Hb) |
赤血球の成分で血色素と呼ばれています。肺から酸素を運搬する働きがあります。貧血で不足した場合は息切れやめまいなどを起こすことがあります。 | 男 13.7~16.8 g/dl 女 11.6~14.8 g/dl |
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ヘマトクリット (Ht) |
一定量の血液中に含まれる赤血球の容積の割合を表します。基準値より低い場合は貧血を疑います。 | 男 40.7~50.1 % 女 35.1~44.4 % |
血清鉄 | 食物からとった鉄分は血液中ではトランスフェリンという蛋白と結合し、ヘモグロビンを造るもととなり、さらに赤血球が造られます。血清鉄が基準値より低い場合は鉄欠乏性貧血が疑われます。 | 40~188 μg/dl |