当院について
病院長あいさつ

 石川県立中央病院は、金沢市彦三に戦後誕生した日本医療団中央病院を引き継ぐ形で、昭和23年に発足しました。以来77年余にわたって石川県医療の“最後の砦”として、県民の信頼に応えるべく診療を行ってまいりました。
 平成30年1月に現在の新病院へ移転した後、令和2年から猛威を振るった新型コロナ感染症対応においては、感染症指定医療機関として、救急搬送患者、重症者、小児、妊婦、手術や透析を必要とする症例などを中心に多くの患者さんの診療にあたるとともに、様々な医療機関や介護施設等に感染対策チームの派遣等も行いました。また、石川県唯一の総合母子医療センターを担う医療機関として、コロナ禍にあっても周産期医療を縮小することはなく、さらに、令和5年10月からは能登北部医療圏の産科医師不足等を受けて石川県「赤ちゃん会議」で決定された市立輪島病院への医師派遣も担ってまいりました。
 令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震においては、石川県の基幹災害拠点病院として、全国からDMATを含め様々な医療支援を受けながら、重症患者の受け入れ、奥能登からの患者さんや避難される方々の受け入れや健康状態チェックなどを行ってまいりました。
 病院の在り方は大きく変化してまいりました。かつては一つの病院で医療が完結し、退院後はご自宅に帰ることを前提に様々な事柄が行われてまいりました。しかしながら現在では医療の高度化、効率化、医療従事者の確保が難しくなったこと等を背景として、各医療機関が各々の機能を見極め『地域』で医療を完結することが求められるようになっています。例えば当院に入院後治療を行っていただいた後は、リハビリ等を得意とする病院へ転院いただき、十分に機能を回復された後ご自宅にお帰りいただくようなことも多々あります。また外来診療におきましては、病院は紹介受診重点医療機関、かかりつけ機能を持つ病院等に分かれることを求められ、紹介受診重点医療機関では他の医療機関から紹介いただいた患者さんの治療に重点を置き、治療終了後はなるべく当院に通院いただくことなく、紹介元で治療を継続することをお願いすることになります。
 これからも石川県民の皆様のご要望と信頼にお応えすべく、職員一同研鑽に励みながら職務を遂行してまいりますので、何卒県民の皆様におかれましてはご理解賜りますようお願い申し上げます。

令和7年4月1日

石川県立中央病院 院長
岡田 俊英