診療科・部門のご案内

診療科・部門のご案内

新生児集中治療室(NICU)

トピックス

【第58回 日本未熟児新生児学会・学術集会を開催しました】

 平成25年11月30日から12月2日にかけて第58回日本未熟児新生児学会学術集会を石川県立音楽堂、ANAクラウンプラザホテル金沢およびホテル金沢において開催しました。本学術集会は例年、日本新生児看護学会の学術集会と同時開催(第23回の学術集会長は高谷恵子石川県立中央病院看護部長)しており、国内から約1200名の小児科・新生児科医および1000名を越える看護師・助産師が参加しました。

 第58回日本未熟児新生児学会学術集会のテーマは「恕(思いやりの心)~赤ちゃんにやさしい医療・ケアを考える~」です。会長講演として、「赤ちゃんにやさしい医療のために、一地方で行ってきたこと」と題して石川県の未熟児新生児の歴史と、その中で日本をリードし国内外に発信してきた治療や研究の一端をご紹介しました。特別講演では、ダウン症の書道家、金澤翔子様に「恕」の席上揮毫を行なっていただき、母親の泰子様から「ダウン症の子どもを育てて学んだこと ~天使がこの世に降り立てば~」をご講演いただきましたが、ダウン症は決して障がいではなく、すばらし個性であることが披露され、一同大いに感銘を受けました。

 学術集会では「やさしい医療・ケア」のテーマに沿って「脳にやさしい循環管理」「肺にやさしい呼吸療法」のシンポジウム等を行いました。新生児医療の進歩によって児の生命予後は著明に改善していますが、一方で発達障害や学習障害の児が増えてきています。今正に発達を阻害しない治療・ケアが求められており、最新の呼吸・循環管理の医療技術ときめ細やかなケアが新生児の発達予後を改善してきています。シンポジウム「21世紀の科学でWilson-Mikity症候群を再考する」では、未熟児の慢性肺疾患について、日本から世界に発信する知見の数々が討論されました。新生児集中治療室(NICU)のような環境ではMRSA等の院内感染対策は最重要課題で、シンポジウム「アウトブレイクに備える」でも活発な討論が行われました。その他、教育講演9題、韓国からの招待講演および一般演題497題の発表が行われました。若手医師のためのワークショップ「新生児疾患診断のピットフォール」でも活発な討論が行われました。

 本学術集会の特徴の一つは新生児看護学会とのコラボレーションです。合同でシンポジウムとして三題企画しました。「NICUに入院している新生児の痛みの軽減を目指したケア:ガイドライン作成に向けて」「NICUの後方支援」「NICUから始める虐待予防」です。医師と看護師・コメディカルが「やさしい医療・ケア」の実践について熱い議論を行ないました。一方、会員懇親会では金沢流のおもてなしに心がけ、芸妓衆による素囃子で開幕、地酒で乾杯し、金沢の伝統文化と食とお酒を楽しんでいただきました。

学術集会のポスターとロゴマーク
ポスターとロゴマーク

左上:会長講演での著者、 左下:金澤翔子様に席上揮毫していただいた「恕」、 右:学術集会の案内
学術集会

懇親会


【専門誌に紹介されました】

メディカ出版刊・ネオネイタルケア16巻1号より、同社の許可を得て掲載しています。(抜粋)
ネオネイタルケア16巻1号