初期臨床研修
腎臓内科・リウマチ科

臓器を超えて診るチカラを!腎臓・膠原病診療の最前線

指導医からのメッセージ

当院は県下の医療の中心的な役割を担っており、県内各地から症例を紹介いただいています。2024年からは総合診療科とも連携し、指導医が3名から5名へと増員され、より充実した指導体制となりました。

当科では、腎臓・リウマチ膠原病・血液浄化療法の全てを学ぶことができます。特に腎臓分野では、当院が石川中央医療圏で唯一の救命救急センターに指定されていることから、救急科や心臓血管外科、循環器内科と密に連携し、敗血症や重篤な循環器疾患に伴う急性腎障害の管理を多く経験できます。また、未診断の腎炎や腎障害の精査として年間4050例の腎生検を行っており、新規透析導入患者は年間40名(血液透析)、5名(腹膜透析)と豊富です。さらに、血漿交換や吸着療法などの特殊血液浄化も日常的に実施し、これらの手技を習得できる環境が整っています。

研修では、1週間に2~3回、腎臓内科・リウマチ科・総合診療科の初診外来を指導医と共に担当し、「外来でしか経験できない」重要病態(発熱のアプローチ、糖尿病性腎症、軽症関節リウマチ、変形性関節症など)の診断・治療を学びます。入院が必要な症例は指導医と共に主治医として担当し、主体的に医療チームの一員として診療に関わることで、病態の理解を深めます。また、緊急透析のブラッドアクセス留置が毎週のようにあり、中心静脈カテーテルの留置手技を習得する機会も豊富です。

科長 藤井 博

1. 腎臓内科の魅力

腎臓は「全身の鏡」とも称され、腎疾患の診療には内科全般の知識が求められます。当科では、

  • 急性腎障害(AKI)や慢性腎臓病(CKD)の診断・治療
  • 酸塩基平衡・電解質異常の評価・治療
  • 透析管理(血液透析・腹膜透析)
  • 腎生検を含めた診断プロセスの習得

といった幅広い領域を経験できます。

2. リウマチ科の魅力

リウマチ膠原病は、発熱や皮疹、関節痛など多彩な症状から診断を進める点が特徴です。膠原病は多臓器にわたる合併症を伴うことが多く、皮膚科や血液内科、呼吸器内科などとの連携が不可欠です。当院では、全ての診療科に熟練した専門医が在籍しており、プライマリーな膠原病の診断や初期治療から、希少疾患や重症疾患まで、当院のみで完結できる体制を整えています。

自己免疫疾患の治療は近年急速に進歩しており、生物学的製剤やJAK阻害薬などの分子標的治療を経験する機会も豊富です。

  • 不明熱、関節痛、皮疹などの診断・治療
  • 関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、血管炎症候群の診療

3. 研修の特色

  • 手厚い指導体制:一人の研修医に対し、指導医がつき、診療スキルの向上を支援します。初診外来では、研修医が主体的に診断・評価を進め、必要に応じて指導医がフォローします。
  • 豊富な症例:地域の中核病院として、幅広い疾患に触れながら、診断力と治療技術を高められます。
  • 総合診療科との連携:膠原病診療と総合診療は共通点が多く、当科ローテーションでは総合診療科の外来も経験でき、必須研修要件である一般外来実習の要件も満たせます。
  • 学会発表の支援:興味深い症例を担当した際は積極的に学会発表を推奨し、抄録・スライド作成の指導も行います。毎年、延べ10名程度の研修医が学会で発表し、臨床能力だけでなくプレゼンテーションスキルの向上も目指せます。

指導医は皆、優しく教育熱心です。ぜひ私たちと共に、充実した環境で急性期のエキサイティングな腎・膠原病診療を経験してください。

興味を持たれた方は、ぜひ見学・相談にお越しください!